聴覚障害学生のグループワーク編
ホチョ:今日は、この春からゼミに所属した聴覚障害学生のAさんにお話をきくホチョ~。よろしくチョ。
チシA:いきなりなんスけど、困ってるんスよね。
ホチョ :どうしたホチョ~。
チシA:希望のゼミに所属できたはいいんスけど、一学年12人の大所帯で。昨日顔合わせだったんスけど、四方八方から声が飛び交って
大変でした。PC要約筆記の支援の方はついていたんスけど、みんなが一斉にしゃべるから途中からついていけなくなっていて。
ホチョ :あるあるホチョ~。議論は講義と違ってスピード感もあるチョ。
チシA:そうなんス。途中から先生が見かねて、「ゆっくりしゃべってね」とか注意してくれたんスけど、それで雰囲気が盛り下がって、
話が弾まなくなったりして、僕としてもそういうのはいやだなって思った。
ホチョ:わかるチョ~・・・。支援を受けることは大切だけれど、それが他の人の学習に影響を与えたりするのは辛いチョ。
チシA:なんとかならないかなぁ。
ホチョ:考えてみるチョ。
(30時間経過)
チシA:メシ喰ってきていいスか。
ホチョ:ちょっと待っチョ!!閃いチョ!!
チシA:なんだとー
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グループワークは、講義(一般的な座学)と比べて何が違うのかを整理すると、
・1対1からチーム戦(教員←→学生 学生←→学生)になる! ・進行にスピード感と瞬発力が求められる! ・話者が複数にわたり、同時発声をすることがある! ・次にどのような話題となるか予測しづらい! |
チシA:たしかに、今までは先生か、たまに話を振られる発言者に注目していればよかったけど、ゼミではそうもいかないス。
ホチョ:そうチョ。一般的な講義はいわば野球で、先生の話→学生の指名というように攻守があったチョ。いわばターン制チョ。
グループワークは野球がサッカーになると考えればいいチョ。待ったなしだし、360°いろんな人からボールがくるチョ。
チシA:僕は野球がいいス。
ホチョ:案ずるなチョ。上の表にまとめた要素を極力抑えたルールを作れば、サッカーが野球になって普通の講義と同様に
支援が受けられる計算になるチョ。
チシA:そうはいっても。。
ホチョ:たとえば、以下のようなルールを作ったらどうチョ。
①発言権を示すボールを導入する→このボールを持っている人しか喋ってはいけない。
②発言権の管理者(司会)を決める→発言をしたい人は、管理者にボールを要求するところから始める。
事前準備:参加者全員の顔が見渡せるよう、死角ができないように机を囲む・発表資料を事前にグループウェアで共有する。etc
ホチョ:ちなみにボールは、柔らかいものをおすすめするチョ。場合によっては投げてみてもおもしろいチョ。
チシA:たしかに、これなら発言もかぶらないし、スピードも落ちそうだね。
ホチョ:裁判や国会をイメージするといいチョ。ボールがあるところを見つめればいいから、読話もしやすいチョ。何より、支援者の
方々の入力の負担を軽減するチョ。結果として、正確な情報を頂けることにもつながるチョ。
チシA:でも、発言権がないときに、いいアイデアが閃いたりした人には、ストレスにならないかな?
ホチョ:それは重要な課題だチョ。聴覚障害学生支援を導入するにあたって、周囲への影響を考えることは忘れてはいけないチョ。
でも、こういったルールが浸透すれば、周囲もそれに沿った工夫をしてくれるチョ。国会だって議長の指名を受けてから動いてるチョ。
チシA:ヤジは飛ぶけどね。
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