高等教育機関に在籍する聴覚障害学生の修学上の困難には、聴覚の機能的損失に
起因する情報取得の難しさのみならず、他者とのコミュニケーションや人間関係の
問題が存在します。
その上、聴覚障害学生個人の聴力や教育歴、コミュニケーションの手段等は
さまざまであり、先に述べた困難がどのような背景をもつ聴覚障害学生において
起こりやすいのかを調べる必要があります。
そこで本研究では、質問紙調査を行い、多変量解析をとおしてその表象を探りました。
その結果、聴覚障害学生が感じる困難として「対人関係を中心とした困難」と
「講義理解を中心とした困難」の2点に分化が認められました。